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触覚とは

2023/6/12

 哺乳類は他の生き物に比べてスキンシップが多い生き物です。
「触れあう」と脳から幸せホルモンのオキシトシンが分泌します。
 私には0歳の子供がいます。掃除や調理中など、ついつい「ちょっと待ってね」と言ってしまいがちですが子供が抱っこによって安心感を求め満たされることを発達心理学では「心の安全基地ができた」と表現するそうです。自分が赤ちゃんの気持ちになって抱っこして!と母親を呼ぶことを想像しましたが、すぐ来て抱きしめてもらうのと後回しにするのでは嬉しさが全然違う気持ちになりました。なるべく応えてあげる方が良いですね。研究でも1時間に1回は触れ合う時間を作ってあげるとオキシトシンで満たされている状態が続くのでかえって家事がスムーズに進むそうです。さらに1歳までにオキシトシンの影響をたくさん受けると学習能力の向上とストレスへの耐性を強めることができるそうです。

 大人になってからはおなかが痛いときにお腹をなでる、不安や恐怖を感じるときに自分の手で腕を触る…自分で自分を癒すことから、好きな人と手をつなぐ、誰かにマッサージしてもらうなど、赤ちゃんの頃に比べるとスキンシップはどうしても減ってしまうものです。
 それでは触覚はあまり使わなくなり不要になりつつあるのかと言うと、そんなことはありません。
睡眠不足や脳の疲労によって触覚などの感覚が過敏になり下着や洋服の生地や縫い目などが気になってしまうことがあります。触覚は慣れやすいので普段は気にならない(気になっていないでゼロではない)ことでもストレスに感じるようになってしまうのです。皮膚は第二の脳である腸に続き第三の脳と言われいて、皮膚の表皮と脳神経は同じ外肺葉からできているので皮膚と脳は密接に関係しています。下着の素材を変える、陶芸や園芸などあえて手が汚れる作業をするなどでストレスが軽減することがあるのでぜひ試してください。
 さらに皮膚は色を認知しています。色の波長を受容するオプシンというたんぱく質が皮膚にも含まれているということが明らかになっています。暖色は筋肉を緊張させ寒色やベージュは筋肉を弛緩させるので活動時と休養時に身に着ける色をわけるのもいいですね。

 大人になってからはストレス軽減の話ばかりになってしまいましたが、自分なりのリラックス法をやったり、誰かに親切にしたり、家族や友達と楽しい時間を過ごせばオキシトシンは分泌されます。
 なかなか出せない~という方はぜひかノんで癒されてください(^^)