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県居協働センターで講座をしてきました

2024/1/14

 先日、浜松市内にある県居協働センターにて東洋医学講座を開催しました。

 参加してくださったみなさんありがとうございました。マニアックなお灸を持っている方がいらっしゃって私は感激しました。気持ち良くて私も大好きなお灸なのでぜひ使ってくださいね。

 ざっとおさらいします。

 

ボといってもいろいろある

 日常生活にツボ押しを…とすすめても「場所が合っているのかわからない」という理由でなかなか取り入れてもらえないことがあります。

 いわゆるツボは腧穴(しゅけつ)と言いまして腧がツボと読む漢字です。腧穴には①経穴というWHOに361穴認定で十四経脈に所属して部位や名称が定まっているツボ②奇穴という十四経脈になく部位や名称が定まっているツボ③阿是穴という阿(あ!)是(これこれ!)という押して痛いところのツボの3つがあります。もう全身ツボだらけです。だから場所にこだわって押さないのはもったいないのです。あなたがここだと思えばそこはツボです。ちなみに阿是穴はだいたい経穴や奇穴付近ということが多いです。まずは筋肉の痛みやコリがある症状の改善にツボ押しをはじめてみませんか?

⑵東洋医学の特徴

 東洋医学は動く身体が良い身体。自然の変化に従って生活しましょう。

 東洋医学の大昔の書物の中でこんな会話がありました。「昔の人の病気はお祓いやおまじないのようなもので治ったのに現代(ここでいう現代は紀元前200年頃)の病気は薬やハリでも治らないのはなぜ?」名医こたえて曰く「自然の変化に従って生活すれば元気だけど自然に逆らって生活すれば病が深くなる」。自然の変化とは四季や朝夜、暑さ寒さなどのことです。春は遅寝早起、夏は遅寝早起、早寝早起、冬は早寝遅起。つまり日の長さに従って生活すると良いのです。春は体をのびのび動かして夏は陽気を発散させて秋は余分なものを捨てて心を安らかに冬は消耗したものを回復させるために日向ぼっこしながら静かに過ごす・・・。そんなこと?と思うかもしれませんが人間も自然の一部という毎日が大事なのです。

 病は気から。その通り。

 東洋医学はからだとこころを切り離しません。こころはからだ、からだはこころなのです。失恋して食欲がなくなることは感情によって臓腑に影響が起こっている証拠。怒れて怒れて仕方がないのは性格だけの問題ではなく臓腑や経絡、もしくは筋肉が傷んでいることによるのかも。こんな話が治療の糸口になるのは東洋医学の特徴です。

 

⑶五行色体表は診断や治療の目安になる

 季節や味、色や気候、感情や症状などを五つに分類してそれを五臓五腑に割り当てます。とっても長くなるのでここでは部分的にお話します。七夕の歌の五色の短冊~♪はこの五行論からきている五色です。

 春は肝が主役の季節。酸っぱい味は活発になりすぎた肝を抑えますが酸味は胃の働きを弱らせます。風の影響を受けやすいので強風の日に自転車乗ると顔面の筋肉が痙攣してしまうなんてことが起こるかも。

 夏は心が主役の季節。苦味は心を養い血を涼しくします。舌先が赤いと心の熱がこもっている証拠。

 梅雨の時期は脾が主役になります。また脾は土に属しますので土用の時期も脾が主役になります。昔から土用に土をいじることや家の土台に関わることは良くないといわれています。土の神様(土公神)が盛んになるからです。また土用のお灸はポイント倍の18日間です。夏目漱石も土用にて灸を据うべき頭痛ありと言っています。浜松でやったことはないですがほうろく灸といってお経をあげてもらいながら頭にのせるお灸というのもあります。

 秋は肺が主役になります。白いものは呼吸器を潤すので乾燥する秋に取り入れたい食べ物です。

 冬は腎が主役になります。腎の病変によって出やすい症状は発育不良や排尿障害です。この症状に効く八味地黄丸が腎を養う漢方薬で有名ですが別名腎気丸です。ちなみに地黄は胃腸の副作用を受けやすいので胃腸の弱い方は要注意です。

 

⑷ツボを押してみよう

 みなさん年末年始の大掃除やらおせちづくりに忙しかったのか手三里という経穴がパンパンでした。頑張ってるよ私の腕と労ってあげてください。大事なポイントは押すことより押されることを意識すること。いけない見本の例は息を止めて潰すように押し込むこと。慣れてきたら自分でも押されている感覚というのががわかってきます。

 

 少しでもみなさんの健康に役立つ情報だと嬉しいです。また機会があればよろしくお願いします。